鉢植えでも育てやすい紫陽花の人気が出た時期は戦後から?

日本の梅雨の風景を思い出す際に必ずと言っていいほど誰もが想像するお花と言えばアジサイ。
じめじめとした湿気が強い梅雨の時期に咲くアジサイは、てまり状のカラフルなお花を咲かせて見る者を和ませます。
自分で鉢植えで育てても非常に育てやすいお花です。
特別な肥料は要らず、西日を避けてお水をあげていれば、すくすくとお花が育ち、病気にも寒さにも強く、種類によっては秋の始めまで持ちます。

品種改良が進められているため、種類も今や豊富で300種類以上あると言われています。
お花の形もてまり型のアジサイから、花びらがフリルになっているカーネーションのようなアジサイまでバリエーション豊かです。
色も定番のブルーからホワイト、レッド、秋色のアンティークカラーまで幅広く、必ず好きな色が見つかります。
プレゼントにもおすすめで、母の日に贈るお花や結婚式のブーケに使う人もちらほらと増え、今や人気は留まることを知りません。

しかし、日本でアジサイがここまで名が知れ渡るほど人気になった時期のはじまりが実は戦後からと知っていましたか?
それもアジサイは日本で自生していたにも関わらず、外国で品種改良されて日本に再移入されてから人気になったお花なんです。つまり帰国子女なんですね。

何故戦前は人気がなかったか?人気が出た理由は?などのアジサイ情報をご紹介致します。

アジサイが品種改良されて今の形になるまでは不人気だった?

アジサイが品種改良されて今の形になるまでは不人気だった?

現在自生する多くの紫陽花は西洋で品種改良された後日本に逆輸入された紫陽花

まず紫陽花には大きく分けて2種類あります。
「ガクアジサイ」と「ハイドランジア」があり、それぞれ「日本アジサイ」「西洋アジサイ(アジサイ)」と言われています。 日本原産の「ガクアジサイ」をヨーロッパで品種改良し、日本に逆輸入したことで、そちらの品種の方が育てやすいことで定番となり、現在では「アジサイ」は多くの場合は「セイヨウアジサイ」を指しています。

ガクアジサイは小さなお花の周りを囲うように更にお花が咲いていることが特徴です。
額縁のように見えることからガクアジサイと言われいます。西洋アジサイはよく見られるてまり状のアジサイです。

日本紫陽花から西洋アジサイに変わった歴史(~江戸時代末期)

アジサイは古い時代から日本で自生されているお花でしたが、当時は人気がなく1000年ほどの間、知られていなかったお花でした。
一説には、アジサイは開花してから花の色が変わっていくことが移り気あるいは不道徳であると考えられたという説もあります。

奈良時代以前のアジサイでは題材にして読まれた俳句が見られず、奈良時代ごろからじわじわと知られるようになりましたが、俳句に読まれているものは数点のみでした。

江戸時代に入ると鎖国の影響で様々な文化が発展しました。
その中でも園芸文化は目覚ましく、サボテンやアロエなど当時の中国でも知られていないものが鑑賞されているほどでした。
しかし一方で紫陽花の人気は今一つでした。理由は紫陽花は繁殖が容易な花であり、折った茎を土に植えておくだけで、株がどんどん増やせます。
つまり、だれでも簡単に植えて花を咲かせることができるため、植木屋としては紫陽花は商売にはならないことから嫌煙されていました。

アジサイのこの流れが変化したのは江戸時代末期です。
長崎の出島ではシーボルトとうドイツ人医師が滞在しており、帰国の際に欧州に持ち帰ったアジサイが、欧州で人気を博し品種改良が盛んになりました。
この時に改良されて生まれた西洋アジサイが大正時代に日本に逆輸入されて、これがアジサイの主流となりました。
ですが、この頃もまだ人気とは言えない状況でした。

アジサイが人気になった理由は戦後に寺の観光資源になったから

アジサイが人気になった理由は戦後に寺の観光資源になったから

人気がようやく出てきた時期は戦後です。
それは紫陽花が死者に手向ける花だと考えられたことに由来します。特に流行病が発生した地域では多く植えられました。
時代が進み、流行病で多数の死者が出ることはなくなりました。しかし、紫陽花は増やすのが容易であること、見た目が美しいことから全国のお寺で植えられるようになりました。

本来、寺は修行の場だったため、神聖な山に建てられる事が多くありました。
寺が建てられる場所と言うのは直射日光が当たり過ぎない斜面と水はけのよい土地でした。これがアジサイが育つのに適した場所だったことに関係します。

また、第二次世界大戦後にお寺の参道に杭を打って道路整備をする際に戦後の物資不足で杭が足りなかったため、杭の代わりに「手入れが楽」ということであじさいが植えられたそうです。 お手入れが楽なのは数十年も前から言われていたのですね。そして今では、お寺を中心に観光名所として地域の集客効果の向上にも一役買っているのです。

花うるるのアジサイ 鉢植え商品をご紹介

秋色アジサイ [品種:マジカルシリーズ マジカル ハイドランジア マジカルレボリューション レインボー] 8号鉢

鉢一杯にお花が咲くハイドランジア。8号鉢でボリューム満点ですね。

秋色アジサイ [品種: ハイドランジア スターリットスカイ] 4号鉢

カーネーションのように小さく咲くアジサイ。フリルのような花びらが非常に可愛らしいです。

マツコの知らない世界でも紹介! ハイドランジア スターリットスカイ

2019年5月23日放送 マツコの知らない世界でも紹介されたアジサイです!!
最初に日本に自生されていたアジサイで、てまり上のように咲く西洋アジサイとは異なります。
小さなお花のめしべのような点々が中央に集まっている部分を囲うように咲く花びらがあることが特徴です。(正しくは萼片(がくへん)という葉っぱが変化したものです)

秋色アジサイ [品種:マジカルシリーズ マジカル ハイドランジア コンペイトウ スマイル ブルー] 8号鉢

ガラス細工のように繊細な咲き方をするアジサイです。放射状に咲くので見ごたえも十分あります。

アジサイが人気になったのは逆輸入された後に観光資源となったから

ここまでアジサイが日本で人気になった理由をまとめてきましたが、いかがでしょうか?

長い間咲き続け、ようやく人気の日の目が出たアジサイ。
アジサイの歴史に想いを馳せながら見るとまた印象が違って見えますね。
寺のたたずまいや苔むした石段と共に咲くアジサイは特に魅力的です。

鉢一杯に咲き誇るアジサイはとても可愛らしいので、是非楽しむために購入してみてください。
花うるるのサイトではアジサイの他にもイモヅルや観葉植物、ニチニチソウなど梅雨~初夏のお花・植物を多く扱っておりますので、是非チェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

sawa 

唯一の平成生まれで3児の母。バタつく毎日を過ごしていますが、花に囲まれながら働ける花うるるは私の癒し。
ハーバリウムは2000本以上作成。花うるるのブログ・インスタ係。撮影・編集・アップまでを一人で担当しています♪